e-sportsアナリストとは
チームを勝利に導くデータのスペシャリスト
e-sportsアナリストはプロゲーミングチームの「頭脳」として、データを分析しチームに役立つ情報を提供します。
コンピューターや撮影機器の進歩により、e-sports業界・スポーツ業界の両方で、データの収集と分析がチームの成績に大きく影響するようになりました。
そのため、多くの競技でデータのスペシャリストであるアナリストが不可欠な存在となっています。
e-sports市場は急速に拡大しており、2026年には国内市場規模が500億円を超えると予測されています。
市場の拡大によって競争が激しくなるため、チームの勝利を左右するアナリストの役割はますます重要になるでしょう。
e-sportsアナリストの仕事内容
チームの頭脳としてあらゆる要素を分析する
アナリストの仕事は情報収集や分析などチームの勝敗に影響を与えるものが多いです。
自チームや相手チームの分析のほか、バージョンごとに変わるゲーム内要素の分析を行いチームに共有します。
たとえばバトルロイヤル系ゲームなら相手の構成や降りる位置、降りてからの行動、バトルの強さ、アイテムが多く有利なポイントなどを調べます。
分析には試合映像やゲーム公式のツール、Excel、プログラミングなどさまざまなツールを利用します。公式ツールは英語版しかない、英語のみでアナウンスなんてことも多いので英語ができると便利です。
また、選手から悩みの相談を受けてそれを解決するために力を尽くすことも多いです。
チームづくりの土台となる情報をコーチや選手に提供する難しい仕事ですが、そのぶんやりがいがあり結果が出た時の喜びも大きいです。
- データ収集
- 目標を達成するためには何のデータが必要でそのデータをどうやって集めるのかを考え実行します。
データ収集自体に工夫やツールの作成などが必要となることもあり専門性が高いです。
- データ分析
- 集めたデータを分析します。
チームの良いところ悪いところ、選手の強みや弱み、癖、相手チームの戦術、新バージョンの変更点など分析すべき対象はたくさんあります。
- 資料作成
- 選手やチームで共有するデータを資料としてまとめ配布します。
必要な情報がすばやく伝わるような資料を作成します。
- ミーティング
- 選手やチームメンバーに集めたデータを共有し、トレーニングメニューやスケジュールを調整します。
また、ミーティングや反省会の内容を議事録としてまとめるのもアナリストの役割です。
e-sportsアナリストになるには
e-sportsアナリストへの道のり
アナリストを目指すなら、まずはデータ分析のスキルを身に付けましょう。
大学や専門学校でデータアナリストとしての勉強をし、データの収集や分析、解釈といった専門的なスキルを学ぶのがアナリストへの第一歩です。
次にゲームへの理解を高めましょう。
適切な分析のためにはゲームについて深く知ることが重要となります。
e-sportsアナリスト向けの専門学校であればデータ分析とゲーム知識の両方を身につけられます。
スキルを身に付けたらe-sportsプロゲーミングチームへの就職を目指しましょう。
できたばかりの職種でルートが確立しているとは言い難いのが現状ですが、プロチームの求人に積極的に応募しチャンスを逃さないことが大切です。
専門学校のチームやプロを目指すクランに所属し、アナリストとしての経験を積むなどアピールポイントなる実績を作るのも有効です。
他にはプロゲーマーから転向する場合やプロチームとパイプのある専門学校に直接声がかかる場合があります。
求められる知識・資質
- データ分析スキル
- アナリストは何よりも分析力が必要とされます。
データの収集・分析スキルを身に付けチーム方針や作戦立案に活かしましょう。
- 集中力
- 分析は時間との戦いとなります。
組合せの発表から試合までの短い間に集中して素早くデータをまとめる能力が必要です。
- ゲームへの深い理解
- ゲームのギミックやプレイングを研究するには選手以上にゲームについて詳しくなる必要があります。
強キャラやそれに対するメタなどシーズンによって変わる環境の情報を追い続けることも重要です。
- 資料作成能力
- 選手は試合前のわずかな時間に何度も資料を確認します。
情報を確実に伝えるために、見やすい資料を作成できると役立ちます。
- プログラミングスキル
- 収集したデータを分析するためにデータベース構築やデータ処理などプログラミングスキルが役立つ場面は多いです。
また、APIとよばれるゲームメーカーが提供する公式ツールの活用にも使えます。
必要な資格・試験情報
データ分析に役立つ資格でスキルアップしよう!
esportsアナリストになるために必要な資格はありませんが、データ分析や資料作成についての資格の取得を目指すのがオススメです。
まず紹介する「統計検定」は統計に関する知識を問う資格です。データ分析では統計の知識をフル活用します。
4級から1級まであるので自分のスキルに合わせてステップアップしましょう。
次に紹介する「基本情報技術者試験」はIT技術者の登竜門とも呼ばれる資格です。
アナリストやデータ分析に特化した資格ではありませんが、基本的なIT知識を身につけられる国家資格なのでスキルアップのために取得しておくと便利です。